工場では、正社員と一緒に多くの派遣社員が働いています。
いまや製造業・工場では派遣社員が大きな労働力として期待されている一方で、派遣会社では製造業・工場が大きな派遣先として業界を支える存在になっています。
製造業・工場には欠かせない派遣社員ですが、正社員との間にはさまざまな違いがあります。
工場勤務における、正社員と派遣社員のメリットの違いについて解説します。
工場勤務で、正社員と派遣社員にはどのような違いがあるのでしょうか。
まずは工場で働く正社員のメリットについてピックアップしました。
正社員のメリットで多くの方がまず思いつくのは、やはり給料が高い、ということですね。
大規模工場を持っている大企業になれば、正社員の給料もハイレベルになります。
さらに正社員だと賞与(ボーナス)ももらえるので、収入はかなり高めです。
派遣社員と同じ仕事をしているライン作業の社員でも、給料だけを見れば高いため、派遣社員として働いている方は不満を感じる点でもあります。
正社員であれば、業績と働いている年数に合わせて出世の道が拓けます。
チームリーダーや班長からスタートして、工長などに出世すれば、給料やボーナスもその分アップします。
出世の道があることが、正社員のモチベーションにもなっています。
逆に、出世していく同期を見ながら出世の機会がなかなかつかめずにいる社員にとっては、大きなストレスになっていることもあります。
正社員の場合、いろいろな仕事を覚える必要があり、その中で必要な資格は企業が取得のサポートをしてくれるものもあります。
工場によっては入社したての時期に研修をかねてさまざまな部署を回ることもあり、スキルを積む準備もできます。
あとは本人のやる気と努力次第になりますが、資格を取得したり社内の試験に合格したりすることで、出世への足掛かりになっている工場も少なくありません。
大手企業や有名メーカーに就職した正社員だと、知名度で周囲の人々から感心されますね。
同級生や親族にも「すごいね、いいところにお勤めしたね」と言われますし、婚活や恋活の際に有利になります。
大手企業の正社員の名刺には、社会的な信頼度もあります。
正社員として働いていると、外資系企業でない限り、何かなければ会社都合で解雇されることはほぼありません。
そのため、将来的に見ても安定した生活が送れることが予想されます。
このまま安定的に同じ企業で働けるという前提で、キャリアプランを立てられます。
キャリアプランを立てたら、そのプランにそって資格を取ったり、スキルを身につけたりと、キャリアアップもはかりやすくなるというメリットがあります。
羨望のまなざしで見られる正社員ですが、メリットばかりではありません。
デメリットになる特徴も見てみましょう。
同じ職場に長期間いることも多い一般の企業では、職場の上司や部下との間の人間関係が複雑になりやすいというデメリットがあります。
最近は若い上司に年配の部下、という構図も珍しくなくなってきており、間にはさまる中間管理職になると、上下の板挟みになってストレスに苦しむという話もよく耳にします。
ほかにも出世やスキルに関するやっかみなどから、同僚間で人間関係がこじれたり、仕事に関するストレスがあったりして精神的に参ってしまう方の増加も、注視されている社会問題です。
正社員の場合、任される仕事に責任を持ち、また周囲からも責任を自覚するように要求されます。
働く年数が長くなればなるほど、出世すればするほど責任は重くなります。
責任があるから給料も高くなるのですが、責任の重さを負担に感じる方もいますよね。
責任を感じることでモチベーションにつながる方もいますが、責任が重くなることを嫌がる方もいるので、メリットともデメリットともなります。
正社員として入社することは、大企業になるほど大変です。
就職活動で苦労したという経験を持つ方も多いでしょう。
そして正社員として働いていると、転職をしたいと思ってもかなりの覚悟が必要となります。
簡単には辞めにくく、次の仕事を正社員で探すことも大変です。
製造業・工場で働く方の中には、ものづくりが好きな方や、ものづくりに携わりたいという思いで就職したという方もたくさんいます。
しかし出世をして管理職になると、ライン作業など直接的なものづくりからは外れることになります。
直接ものづくりに関わりたいという思いが強い方は、物足りなさを感じるかもしれませんね。
正社員の育児支援などがいろいろな企業で進んでいて、子どもが小さなうちは時短で働けるなどの措置が取られるようになってきました。
しかし日本全国の企業で積極的に採用されているわけではありません。
特に近年まで作業員のほとんどが男性で、女性の進出が遅れていた製造業・工場では、まだ育児支援が行き届いていない企業が多いのが現状です。
今度は、工場で働く派遣社員のメリットについて見ていきましょう。
工場で派遣社員として働くことにはどんな特徴やメリットがあるのでしょうか。
派遣社員として工場に入ると短期間での契約更新を繰り返し、最初に決められた期間か、最長で3年間働くことになります。
工場で働き始める前に職場見学はありますが、入ってみて「この仕事は合わない」「この職場は合わない」と感じたら、契約更新前に「次の更新はしません」と伝えれば、仕事を辞めることが可能です。
まだ自分のやりたいことが分からない方、いろいろな仕事を試して自分に合った働き方を探したい方におすすめの働き方です。
派遣社員は派遣会社に登録し、派遣会社から各企業や工場に派遣されるため、派遣会社のスタッフとして扱われます。
給料の払い元も派遣会社ですし、福利厚生も派遣会社のものが適用されます。
日本では雇用形態に関わらず、福利厚生を受けることは労働者の基本的な権利です。
派遣社員として働く場合は、派遣会社を選ぶ際に派遣会社の福利厚生をしっかりチェックするようにしましょう。
また寮など工場側の福利厚生を利用できる案件が多いのも、製造業・工場の求人の特徴です。
派遣社員として工場で働く場合、ライン作業に入ったり、軽作業を行う部署に配属されたりすることが多いようです。
軽作業は覚えやすい単純作業が多く、繰り返しの仕事がほとんどです。
黙々と作業を繰り返すことが得意な方におすすめの働き方で、慣れやすいというメリットもあります。
また正社員と違って、重い責任が問われる作業を任されることはまずありません。
とはいえ、工業製品のライン作業ではひとつひとつの作業のミスが大きな事故につながりかねないので、仕事に対する責任感や達成感を得ることはできます。
実際に軽作業に従事して、黙々と同じ作業を繰り返すこと、単純作業が苦手ということに気付く方もいます。
派遣社員として比較的短いスパンで働くことを繰り返している場合は、周囲の人ともめることがなければ人間関係のいざこざに巻き込まれることも比較的少なめです。
派遣社員が少ない企業や、オフィスでの仕事の場合は派遣社員に対する正社員からのやっかみや嫌みなどに悩む方もいます。
しかし工場の場合は派遣社員の数が多く、黙ってそれぞれの作業を行うスタイルということもあって、人間関係で悩む方は比較的少なめです。
正社員の場合に起きる、上司と部下の間の問題や、上司と部下の板挟みになるなどの悩みも起きにくいですね。
製造業・工場で派遣社員や期間工として働く場合、正社員として入社するより簡単に大手企業に勤めることができます。
期間工の求人は工場の繁忙期にたくさん出ます。
また期間工や工場勤務の派遣社員の場合、正社員登用ありという求人なら、そのまま正社員として働き続けられる可能性もあるのです。
派遣社員の求人情報を眺めていると「未経験者歓迎・資格不問」という求人がたくさんある一方で、特殊技術やスキルを持つ方を求める案件も目に入るでしょう。
フォークリフトやクレーン、玉掛け、衛生管理者、危険物取扱者など、工場ではさまざまな資格を持つ方が活躍します。
軽作業ならだれでもすぐに覚えて従事できますが、資格やスキル、技術が必要な仕事は特殊な案件になります。
派遣会社によっては資格手当がもらえる場合もあり、選べる仕事の幅も広がります。
スキルアップを目指すなら、資格取得のサポートがある仕事を選んで応募すると良いでしょう。
いろいろな現場を経験するうちに、資格やスキル、技術がアップし、経験値が上がるような仕事選びをすることをおすすめします。
派遣社員として工場に派遣された場合、紹介予定派遣であれば正社員としての登用が前提です。
最長で6ヶ月間、派遣社員として働いた後に正社員として登用するかどうかの判断があり、通れば正社員になれる特殊な派遣社員です。
そのほかにも、期間工で「正社員登用あり」と求人情報に記載されている案件を選ぶと、正社員になれる可能性がアップします。
派遣会社の中には、女性活躍推進企業として積極的に取り組んでいる企業もあります。
製造業・工場ではまだ女性の活躍を十分サポートできないところが少なくありません。
しかし派遣会社は女性の登録も多いため、女性が働きやすいサポートが充実している企業もあり、厚生労働省から女性活躍推進企業のマーク「えるぼし」認定を受けているところもあります。
また育児中は時短の求人、子どもが大きくなるにつれてがっつり稼げる求人に変えていくことも可能です。
派遣社員には、正社員にかなわない点もありますが、派遣社員にしかないメリットもたくさんあります。
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