派遣社員として働くという働き方が、現代社会で見直されています。
実は派遣社員は「安定」「勝ち組」という意見も増えてきているのです。
就活をせず、派遣社員として働きだす新卒者もいて、若い世代からの見方も変わってきています。
それでは、まず派遣会社とは何か、派遣社員という働き方について詳しく解説しましょう。
まずは派遣会社とはどのような会社なのか、わかりやすくご紹介します。
さらに派遣会社で働く派遣社員という働き方についても、詳しく知っておきましょう。
派遣会社とは、派遣で働きたいという方をさまざまな工場や施設、企業に派遣する、人材サービス企業のひとつです。
派遣社員はまず、働きたい工場や施設・企業の求人がある派遣会社に登録します。
その後、無事働きたい職場への派遣が決まれば、派遣契約が発生するというシステムです。
派遣社員が働くのは個々の工場や施設・企業などですが、雇用主は派遣会社になります。
そのため、給料も派遣会社を通して支払われます。
派遣会社が雇用主で、給料も派遣会社が支払い、福利厚生も派遣会社のものが適用されます。
そして派遣期間が終了すると、一般的には派遣会社との契約も終了ということになります。
派遣期間が終了すると派遣会社との契約も打ち切られてしまうため、派遣社員は仕事が安定しないというイメージがある方も多いようです。
しかし現在は、安定的に働けるように国も派遣会社も、派遣社員として働く方もいろいろな工夫をしています。
そのひとつが無期雇用派遣。求人サイトなどで目にしたことがあるという方も多いのではないでしょうか。
無期雇用派遣は、常用型派遣とも、正社員型派遣とも呼ばれるスタイルの派遣社員です。
無期雇用派遣は、派遣会社の正社員もしくは契約社員として雇用されます。
そして、派遣会社から希望する工場や施設・企業へ派遣されます。
派遣会社の社員なので、派遣先との契約が終わっても派遣会社から給料が出ますし、次の派遣先も紹介してもらえます。
派遣社員として働きながら、正社員としての安定も得られる一石二鳥の働き方です。
求人サイトや求人広告には、無期雇用派遣の他に紹介予定派遣という言葉も登場します。 紹介予定派遣とは、一般派遣や無期雇用派遣とは違った、新しい派遣のスタイルです。
紹介予定派遣とは、派遣会社と派遣先の工場や施設、企業とで「最初は派遣会社からの派遣社員として働き、一定期間後は派遣先の社員となる」働き方です。
一般の派遣社員の最長契約期間は3年間、無期雇用派遣は期限がありません。
それに対して、紹介予定派遣の場合は最長6ヶ月と期間が短めに設定されています。
6ヶ月の間に、派遣先の工場や施設、企業と派遣会社同意のもとで、派遣社員が派遣先の正式な社員として働き始める働き方を、紹介予定派遣と呼んでいます。
紹介予定派遣はつまり、派遣先の工場や施設、企業に正式に採用されることが前提で、一度派遣社員として働く、ユニークなスタイルの働き方です。
なぜこのような働き方があるかというと、職業のミスマッチを防止するためです。
現在は長い就職氷河期を経て、転職する労働者が続々と出ています。
就職して働き始めたものの、職業が合っていない、職場に馴染めない、キャリアプランに合わないなどのさまざまな理由で、転職する方が増えているのです。
そのため職業のミスマッチを防ぐべく、半年は派遣で働き、職業や職場が合っていれば正式な雇用に切り替えるという紹介予定派遣が注目されつつあります。
派遣社員という制度は、派遣法という法律とともに1986年に誕生しました。
意外と新しい働き方のひとつです。
派遣法施行当時は、派遣社員が活躍できる場は13業務8形態と本当に限られた場でしかありませんでした。
しかし現在では、港湾運送業務や病院など医療関連業務、弁護士などの士業等、5業務以外はすべて派遣社員の活躍の場になっています。
さらに医療関係業務の中でも、看護師や薬剤師は派遣で働く方も多くなってきました。
派遣社員はさまざまな場で活躍し、働きやすいスタイルとして、選ぶ人も増えているのです。
派遣社員には契約更新があります。
契約更新があるため不安定と言われていますが、契約更新を活かすことでより自由に働ける就業スタイルにもなります。
派遣社員は、最短で31日契約、最長で3年間、同じ職場で働くことができます。
3年間経つと同じ企業の同じ部署では、働き続けることができなくなります。
派遣社員は日雇いが禁じられているため、特殊な場合を除いて31日間が最短契約です。
31日間あれば、職場や職種が合っているか見極めることができるからです。
また3年継続すると、同じ職場で働くことはできません。
3年間の間に派遣会社や派遣先と話し合いを行い、契約期間を更新するかどうか何回か決めるタイミングがやってきます。
もしあなたに合わない業務や職場だった場合は、早めに契約を打ち切って、別の会社に派遣先を変えるということも可能なのです。
しかし不景気や派遣先企業の倒産など、さまざまな理由で思いもよらず早く契約が終了してしまうことがあります。
そのひとつがリーマンショックによる「2007年~2008年不景気と派遣切り」現象です。
こうした雇用不安定に陥らないよう、その後法律も改正されました。
派遣社員の雇用をより安定させるために、派遣会社はもちろん、派遣社員として働く方々も工夫をしています。
たとえば、派遣会社ではマッチングを重視し、派遣の更新時期が来たら身につけたスキルを活かせる職場へ斡旋するために、派遣社員へのヒアリングやカウンセリングを行っています。
そして派遣社員として働く方の多くは、複数個所の派遣会社に登録しておき、そろそろ派遣の更新が打ち切られるかもしれないという頃には次を探し始めます。
現在では多くの企業が、契約終了の30日前には派遣契約の終了を通達することになっています。
また多くの派遣社員が複数の派遣会社に登録しておき、契約終了が通告されたらすぐ、次の派遣先を探し始めるようにしています。
派遣の契約が終了しても、すぐに別の派遣先で働ければ、収入がない期間をできるだけ減らすことが可能です。
派遣社員の福利厚生は、登録している派遣会社のものが適用されます。
それでは、派遣社員の福利厚生は、どのようになっているのでしょうか。
派遣会社では、登録している派遣社員の福利施設を整えています。
福利施設には、国で定められている法定福利と、会社が独自で行っている法定外福利の2種類があります。
充実した福利厚生は、派遣会社を決めるための重要なポイントでもあります。
働く本人だけでなく、家族の安心や健康を守るサービスも多いので、派遣会社を決める際はよくチェックしてみてくださいね。
派遣社員には、ワークライフバランスがとりやすいというメリットもあります。
近年注目されているワークライフバランスと、派遣社員の働き方にはどんな関係があるのでしょうか。
ワークライフバランスとは、労働と人生や生活の質(QOL)のバランスです。
労働によって得られるお金で生活の質や人生は成り立っていますが、労働に時間を割かれすぎていると、お金が入ってきても心豊かな人生は楽しめません。
その点、帰る時間や働く時間が正社員よりも融通できる派遣社員は、ワークライフバランスがとりやすい働き方として注目されています。
人生には結婚や妊娠・出産、親の介護や自分の病気など、さまざまなイベントが起こります。
そんな時、働き方の自由が得られやすい派遣の仕事は、働かずにスキルを落とす期間を作らず、時間も得やすい働き方です。
子どもに手がかかる幼児期、習い事の送り迎えなどに時間がかかる小中学校期は早出早帰で働き、お金がかかる高校・大学期はフルタイムで副業も、という働き方もできます。
派遣社員はつい最近まで不安定でつらい働き方というイメージが定着していました。
しかし現在では、人生を楽しみながら好きな仕事ができる、大企業で働くことも選べる働き方として明るいイメージも生まれています。
社会では民間企業から超巨大企業にいたるまで、終身雇用は約束されたものではなくなり、副業まで推奨されるようになってきました。
いつまでも健康に、自由に働き続けられる派遣社員という働き方を、あなたももう一度見直してみませんか。
具体的なお仕事を見てみませんか?